東京アートサポートセンターRights(ライツ)とは
「東京アートサポートセンターRights(以下、Rights)」(令和4年(2022年)度に改名)は、障害のある方々が生み出す美術・身体表現・音楽などの多様な表現やそれらを取り巻く環境の充実を目指して、「相談支援」「人材育成・ネットワークづくり」「情報収集・発信」「発表機会の確保」に取り組んでいます。様々な視点から障害のある方の表現について考え、障害のある方々の表現をはじめ創作環境の理解や知識の拡充に繋げるプロジェクトを、Rights(ライツ)は展開していきます。
Rights(ライツ)は、東京都障害者芸術活動基盤整備事業の補助を受け、東京都内でサポートを行う「支援センター」(*1)としての役割を担っています。また、南関東・甲信地域に視野を広げて活動する「広域センター」(*2)とも連携を図りながら活動しています。
*1東京都「障害者芸術文化活動支援センター」(東京都「障害者芸術活動基盤整備事業」)…東京都における障害者の芸術文化活動の普及支援拠点を設置し、活動基盤を整備することにより、障害者の芸術文化活動の更なる振興と、活動を通じた障害者の自立や社会参加の促進を図ることを目的とした事業です。
*2南関東・甲信ブロック「広域センター」(厚生労働省「障害者芸術文化活動普及支援事業」)…
全国の障害のある方々の創作活動を支える様々なプログラムが実施された、「障害者の芸術文化活動支援モデル事業」(平成26年度~28年度)で培った支援ノウハウを全国に展開し、障害者の芸術文化活動(美術・音楽・演劇等)のさらなる振興を図ることを目的としています。厚生労働省「障害者芸術文化活動普及支援事業」については、こちらをご覧ください。
Rights(ライツ)のやくわり
相談支援
障害のある方々の美術・身体表現・音楽などの多様な表現活動に関するご相談窓口を設置しています。また、法的な助言が必要なご相談に関しては、弁護士による無料法律相談を実施しています。
人材育成・ネットワークづくり
障害のある方々の表現活動に関する幅広い内容の研修セミナーや、活動を行っている施設の見学ツアーなどのイベントを実施し、支援者や専門家に限らず多様な人々が交流しネットワークをつくることができる機会を設けています。
情報収集・発信
訪問やアンケートなどにより、障害のある方々の美術・身体表現・音楽などの表現活動や作品の調査発掘を行っています。また、発表の場を設けたり、報告書やカタログを作成したりすることで、様々な表現を発信しています。
発表機会の確保
表現活動に取り組む団体及び個人との協働による、合同イベントを開催しています。福祉、芸術を含む多分野の方々との連携体制をつくるとともに、障害者の創作活動をより広く知っていただく機会へとつなげています。
Rights(ライツ)のこれまで
Rights(ライツ)誕生の経緯
当法人は、2010年より国内での「アール・ブリュット」の発信に取り組んできました。2012年からはヨーロッパ巡回展『Art Brut from Japan(Outsider Art from Japan)』(2012年ドルハウス美術館/オランダ、2013年ウェルカム・コレクション/イギリス)、2014年には日本・スイス国交樹立150周年記念事業『ART BRUT JAPAN SCHWEIZ』展(ラガーハウスミュージアム/スイス)の日本事務局を務め、日本人作家の作品を国外美術館にて巡回展示を行いました。
各美術館と作家との間で出展契約を交わす際に、成人で判断能力が不十分な作家の方には、必要に応じ「成年後見制度」の利用をご案内し、法的に定められた作家の代理人をたてていただくことで、権利保護がなされるように取り組んできました。その中で、作家ご本人やその家族の方々、創作活動の支援を行う団体や企業等から様々なお問い合わせやご相談をいただき、相談支援の潜在的な需要の存在や、これにお応えする必要性を強く感じました。しかし、当法人は専門の相談窓口としての機能を有していなかったため、他府県にある相談窓口をご紹介するなどの対応に留まらざるを得ませんでした。
近年、障害のある方々が創作する作品に対する評価の高まりとともに、展覧会への出展をはじめ、商品へのデザイン使用といった商業的利用の需要や作品の売買についてのお問い合わせが増加してきています。障害者の芸術活動支援の場面においては、権利保護のための相談支援体制の整備や、その担い手の人材育成に取り組むことが、障害者の権利の向上や社会参加を推進していく上で最も重要な観点の一つであると考えます。
障害のある方々により安心して創作活動に取り組んでいただけるよう、相談支援体制を整備すべく、「東京アール・ブリュットサポートセンターRights(ライツ)」は誕生いたしました。
主催団体
社会福祉法人愛成会
社会福祉法人愛成会とは
昭和33年(1958年)の創立以降、東京都中野区にて利用者とともに地域づくり・街づくりへ寄与していく取り組みを行っている社会福祉法人です。
地域で暮らす障害のある方々の創作活動の場「アトリエpangaea(ぱんげあ)」の運営や、中野区内の商店街や地域の方々と協働した展覧会「NAKANO街中まるごと美術館! アール・ブリュット―人の無限の創造力を探求する―」を毎年開催しています。また、海外でのアール・ブリュット展の日本側事務局を務め、平成30年度には東京都とパリ市の文化交流事業『パリ東京文化タンデム2018』での「アール・ブリュット ジャポネⅡ」展を開催しました。
「人はみんな、自分の人生の主人公」という理念のもと、多くの方と共に芸術文化に貢献する活動を展開していきます。
専門アドバイザー
令和6年度東京都障害者芸術活動基盤整備事業
【権利保護】あさひ法律事務所 弁護士
中久保 満昭
あさひ法律事務所 弁護士
山崎 純
あさひ法律事務所 弁護士
易 智久
あさひ法律事務所 弁護士
採澤 友香
【舞台芸術】一般社団法人日本演出者協会 社会包摂部
河田 園子
【美術活動支援】国立新美術館 学芸課 第1企画室長
真住 貴子
あさひ法律事務所 弁護士
中久保 満昭
あさひ法律事務所 弁護士
山崎 純
あさひ法律事務所 弁護士
易 智久
あさひ法律事務所 弁護士
採澤 友香
一般社団法人日本演出者協会 社会包摂部
河田 園子
【美術活動支援】国立新美術館 学芸課 第1企画室長
真住 貴子
国立新美術館 学芸課 第1企画室長
真住 貴子