ぎんがさんのラジオ

ぎんがさんは、オリジナルの「文字列」を生み出します。数学の教科書や妖怪図鑑、カラオケ集、また身の回りにあるチラシなどから言葉を選び出し、組み合わせて描きます。さらにはその紙面がハサミで切り刻まれ、別の紙面に貼られ、コラージュと化していきます。より複雑な文字列が奏でるリズムは不思議と心地よくて、幼い頃から自分なりの字や絵を描き、特別支援学校や放課後デイサービスでも、裏紙を見つけては描き続けてきたというぎんがさん。卒業後も、好きなことをやり続けながら仕事ができる場所を探して、ひまわりばたけに辿り着きました。

　ぎんがさんの創作は、オリジナリティがありながら、一方でその環境やスタッフとの関わりのなかでその可能性を広げていってるんですね。文字列にしても目の前でスタッフが見ていたチラシや本の内容が彼のフィルターを通じて「サンプリング」されています。また、扱う素材、例えば長い紙やマスキングテープ、トレーシングペーパーなど。そういったもののバリエーションもスタッフとのやりとりのなかでどんどん広がっていくんです。

アトリエ担当スタッフの佐藤久美子さんは、身の回りにあるものを何でも「遊びの道具」として使いこなす彼の才能を丁寧に見つめ、ときに問題行動とされることも「表現として認められる」ような環境づくりに努めてきました。この番組では、佐藤さんと施設長の國武洋絵さんのまなざし溢れるインタビューをお届けします。
※本ラジオ番組は2020年1月11日から15日まで、Rightsが東京芸術劇場で実施した「まなざしラジオ!! in 芸劇」の会場内で放送されたものです。会場の様子やラジオの詳細は、厚生労働省令和元年度障害者芸術文化活動普及支援事業南関東・甲信ブロック広域センター　東京アール・ブリュットサポートセンターRights 報告書「まなざしラジオ!!」をご参照ください。

■ぎんがさんのラジオ01　オープニング