【レポート】「マティス 自由なフォルム」障がいのある方のための特別鑑賞会@国立新美術館

国立新美術館では年に数回、「障がいのある方のための特別鑑賞会」を開催しています。2024年5月7日(火)に「マティス 自由なフォルム」展の特別鑑賞会へ、ライツスタッフが見学に行ってきました。
ご案内いただいたのは、真住貴子氏(同館 第1企画室長 主任研究員)です。真住氏は、当センターの専門アドバイザー(美術分野)を務めてくださっています。

国内最大級の展示スペースを持つ国立新美術館は、ユニバーサルデザインに対応した設計となっており、誰もが利用しやすいバリアフリー施設です。その中でも特別鑑賞会は、休館日に事前申込制で行われるので、障害のある方がより安心して観覧できます。

今回の特別鑑賞会は、同館の事業支援企業である三菱商事株式会社との協働で実施しているそうです。当日は三菱商事とグループ企業の社員の方も運営ボランティアスタッフとして、車でお越しの方の出迎えや受付など、館内のさまざまな場所で来館された方々をサポートしていました。

障害者用駐車場の様子

同館には一般の駐車場はありませんが、障害者用駐車場があります。屋根付き駐車場(写真右)が3台分あり、雨天時も駐車場から1階ロビーまで濡れずに移動することができます。

筆談ボード

指差し会話シート、裏面は「あいうえお表」になっています


一階に特設された受付には、筆談ボードや指差し会話シートが用意されていました。指差し会話シートの裏面は「あいうえお表」になっており、会話が困難な場合もコミュニケーションを取ることができます。 また、受付横には給水できるコーナーもあるなど、きめ細かな心配りがうかがえます。


本展の特別鑑賞会には、個人の方から福祉施設の団体までさまざまな方々が来場されていました。普段は混雑することもある展示室ですが、この日は事前申込・定員制のため、みなさんゆったりとした環境の中で自分のペースで観覧を楽しんでいました。

特別鑑賞会の時は、展示会場内のイスの数も増やしているそうです。鑑賞に疲れたら、いつでも休憩できるというのはすごくうれしいですね。同館では普段の開館時も、障害のある方は観覧無料(付添の方1名含む)で、その他のサポート体制も整えられていますが、混雑した状況に不安のある方にとってこのような鑑賞会は、とても意義のある機会だと感じました。

真住氏は、「だれでもが等しく芸術文化に触れられる機会と環境を整えていくことが大切。美術館としてどのようなサポートができるかと考えながら、これからも特別鑑賞会を続けていきたい」と語られていました。 同館では、特別鑑賞会のほかにも、近隣地域の学校を休館日の美術館へ招待する「かようびじゅつかん」という活動も行っているそうです。全国の文化施設でこのような活動が広がっていくといいですね。



「マティス 自由なフォルム」2024年2月14日(水)~2024年5月27日(月)
※本展の特別鑑賞会は終了しています。

国立新美術館では、各種バリアフリー設備が完備されておりますので、通常時もどなたでもご来館いただけます。また、来館にあたってのサポートなどのご相談も随時受け付けているとのことですので、ご不安な点がある際にはお問い合わせしてみてください。

▼バリアフリー情報については下記よりご確認いただけます。
https://www.nact.jp/information/barrierfree/

▼近隣地域の学校を美術館へ招待する「かようびじゅつかん」については、下記の「学校の来館に関するご案内」をご覧ください。
https://www.nact.jp/education/school/index.html

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