【レポート】多様性から生まれる表現を追求するDEIダンス・ファシリテーション講座「のはらカレッジ」@東京芸術劇場
令和6年度、複数の文化施設が連携したファシリテータ育成講座「のはらカレッジ」にライツが見学にいきました!その様子をご紹介いたします。
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DEI(Diversity、Equity、Inclusion)ダンス・ファシリテーションを学ぶこの講座は、4つの文化施設が連携し開催されており、個々が持つ豊かな表現を引き出すためのファシリテーションを学び、未来のファシリテータを育成する事業です。本事業のように、複数の文化施設が連携する人材育成プログラムは、全国的にも稀な取り組みといえます。
メイン講師はNPO法人みんなのダンスフィールド理事長・東洋英和女学院大学の西洋子先生が務めています。
西先生は、長年様々な場所でインクルーシブダンスを行ない、年齢や国籍、障害の種別や程度に関わらず多様な方とともに多彩な表現を生み出してきました。西先生のこれまでのノウハウを学ぶとともに、芸術文化・工学の各分野による講義と多様な人との身体表現ワークショップという実践の場を通して、様々な領域で活躍できる人材を育成するという、創造性あふれる共生社会の実現に向けた先駆的な講座となっています。
多様性から生まれる表現を追求するDEIダンス・ファシリテーション講座「のはらカレッジ」の詳細
受講生の皆さんは、1回の受講で半日をかけて実践と座学によりDEIダンス・ファシリテーションを学んできます。
第1回、第2回は東京芸術劇場で実施され、ライツは第2回の実施の見学に伺いました。
申し込み時には面接も行なったという本講座は、将来の活躍の場もしっかりと見据えて参加することを前提とした、主催団体・受講者の本気度の高さも特徴です。
受講中は、こまめにメモなども取りながら熱心に取り組む様子が印象的でした。
この日の最後のカリキュラムでは、国立長寿医療研究センターの加藤健治先生による「表現計測にみる心と身体の相互作用」という講義が行われました。「てあわせ」を初体験同士のペアで行った時と、初体験の方とファシリテータのペアで行った時との身体の動きの違い、パーソナルスペースの変化を記録し、その記録からみた身体表現によるコミュニケーションの効果について話されました。
ファシリテータが入ることで、初心者同士の心の距離が縮まるかのように、お互いの身体が近づいたり遠ざかったりと、距離がより多様になること、そのことで表現が豊かになることが解析結果から明確にみられたことが大変興味深かったです。
このようなファシリテータの育成が進むことで、国籍や年齢、障害の有無などの属性を問わず、言葉に限らない人同士の対等なコミュニケーションの場の拡充と豊かなクリエイティブな表現に繋がっていくことなどを想像し、とてもわくわくしました。
通年で行われる今後の「のはらカレッジ」の展開も楽しみです。
ライツでは、今後も「のはらカレッジ」の取り組みをレポートしていきます!
*東京芸術劇場、みどりアートパーク、ティアラこうとうの「のはら」ファシリテーションとワークショップの取り組みは下記からご覧いただけます。
・東京芸術劇場「東京のはら表現部」
・みどりアートパーク「のはらハみどり」
・ティアラこうとう「ティアラ表現ワークショップ『のはらフル』」
*令和5年度に当センターが、ティアラこうとう、NPO法人ダンスフィールドと協働して実施した「ティアラ表現ワークショップ『のはらフル』」の記録映像は、下記のリンク先よりご覧いただけます。
ティアラ表現ワークショップ「のはらフル」記録映像 (youtube.com)
POST:2024年9月24日