【レポート】第5回:多様性から生まれる表現を追求するDEIダンス・ファシリテーション講座「のはらカレッジ」@調布市グリーンホール
12月に開催された第5回目「のはらカレッジ」の様子をご紹介します。
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複数の文化施設が連携し実施している「のはらカレッジ」は、多様性から生まれる表現を追及し、さまざまな領域で活躍していける人材の育成を目指すための講座です。
受講者は、全6回のカリキュラムを通して、自由で創造的な身体表現を引き出すためのファシリテーションを総合的に学んでいきます。
・多様性から生まれる表現を追求するDEIダンス・ファシリテーション講座「のはらカレッジ」の詳細
・前回(第4回)のレポート記事はこちらから
第5回となる本講座は、調布駅前にある文化施設、調布市グリーンホールで開催されました。
今回のプログラムでは、東京芸術劇場で発足された「東京のはら表現部」のメンバーの方々を中心にしたワークショップから始まりました。
「うさぎこびと」「もぐらこびと」など、いろんな「こびと」になってスキップしたり寝転んでみたりと、ファシリテータからの出されるキーワードをもとに、各々自由に表現していきました。


ワークショップの後半では、東京のはら表現部による「空」の公演が披露されました。
メンバー同士は久しぶりの再会だったそうですが、皆さんの息の合った、それでいて個々の生き生きとした豊かな表現力にとても感銘を受けました。


続いてのプログラムは、平田泰久(東北大学大学院工学研究科・教授)によるAIロボットを活用したインクルーシブ表現の取り組みについての講演でした。
「ロボットで人の思いを変える」という理念のもと、AIロボット技術を活用することで、より豊かで充実した表現の実現を目指しています。
講義の中ではプロジェクトについての具体的な説明やこれまでのAIロボットを活用したインクルーシブダンスの取り組みが紹介されました。また、実際に開発されている電動車いすが登場し、受講生の方々が体験する場面もありました。
身体に装着する「慣性センサ」により身体の傾きを感知することで、傾けた方向に動くという電動車いすだそうで、車いす操作のために手を塞ぐことがないため、ユーザーはより自由に表現をすることができます。
このような体験を拝見し、障害の有無に関わらず誰でもが、より豊かな動き・表現でダンスや音楽、スポーツなどを楽しめる将来が近づいていることを実感する機会となりました。
西洋子先生(のはらカレッジプログラムオフィサー)が代表理事を務める、NPO法人みんなのダンスフィールドも、このプロジェクトの実現に向けて協働されています。
*本プロジェクトによるダンスパフォーマンスイベントのレポート記事も合わせてご覧ください*
【レポート】世代も障がいも国境も越えてAIロボットで“Yes We Dance!”@東京ミッドタウン八重洲


この日の最後のカリキュラムでは、アーツカウンシル東京の碓井千鶴さんから、「芸術文化支援の現在」について講演がありました。芸術文化により社会課題を解決していく取り組みを進める同財団による、助成事業の具体的な紹介や種類などを聞く貴重な機会となりました。後半では、昨年度の採択件数や採択率、採択に至らないケースや重要視する部分など、核心に迫る質問も多々見られ、受講者の皆様の真剣な様子が印象的でした。
ファシリテーションの実技の演習に留まらず、多分野の専門家から学ぶプログラムとなっているのはらカレッジ。文化芸術事業を担っていく人材の育成として、実践現場での活躍を見据えた充実した講座内容であることを改めて感じました。
本講座は次回、1/26(日)最終回になります。ライツでは第6回も引き続き「のはらカレッジ」の活動をレポートしていきたいと思います!
*東京芸術劇場、みどりアートパーク、ティアラこうとうの「のはら」ファシリテーションとワークショップの取り組みは下記からご覧いただけます。
・東京芸術劇場「東京のはら表現部」
・みどりアートパーク「のはらハみどり」
・ティアラこうとう「ティアラ表現ワークショップ『のはらフル』」
*令和5年度に当センターが、ティアラこうとう、NPO法人ダンスフィールドと協働して実施した「ティアラ表現ワークショップ『のはらフル』」の記録映像は、下記のリンク先よりご覧いただけます。
ティアラ表現ワークショップ「のはらフル」記録映像 (youtube.com)
POST:2025年1月31日