【レポート】世代も障がいも国境も越えてAIロボットで“Yes We Dance!”@東京ミッドタウン八重洲

10/13(金)に行なわれた、車いすを使ったダンスパフォーマンスのイベントにライツスタッフが参加してきました!
この記事ではその様子をご紹介します。

世代も障がいも国境も越えてAIロボットで“Yes We Dance!”

ティアラ表現ワークショップ「のはらフル」にて講師を務める、NPO法人みんなのダンスフィールドの西洋子先生、秋田有希湖先生にご案内いただき、本イベントにライツスタッフが伺ってきました。

今回のイベントは、世代や障がいの有無を問わず誰もが楽しむことができるインクルーシブダンスに、AIロボット技術を活用することで、より豊かで充実した表現の実現を目指す、というプロジェクトとして、東北大学大学院工学研究科の平田泰久教授と、フランスのパリ・サクレー大学のEric Monacelli教授を中心に企画されたものだそうです。

ダンスパフォーマンスへは、西先生をはじめとするみんなのダンスフィールドのメンバーの方々がファシリテータとして参加され、パーフォーマーとしてロボットを開発した研究者やリハビリ・介護分野の関係者、ミュージシャンなど国内外問わずさまざまな方が参加されていました。

世代や国籍などが異なるさまざまな方が一緒となり、のびのびと豊かな表現をされているのがとても素敵でした。

ドラム、バイオリン、ピアノによる生演奏のBGMによるパフォーマンスは迫力もひとしおです。ドラマーはフランスからの参加、バイオリンを演奏するのは福祉医療工学の研究者︕

パフォーマンスで使われた電動車いすは、身体に装着する「慣性センサ」と呼ばれるセンサにより身体の傾きを感知することで、傾けた方向に車いすが動く、という仕組みだそうです。そのため車いすユーザーが車いす操作のために手を塞ぐことなく、自身の身体の動きで感覚的に操作することができるので、よりなめらかで豊かな表現によるパフォーマンスを行うことが可能になる技術なのだそうです。

この技術を使った電動車いすのパフォーマンスが下記の写真です。

「慣性センサ」を使った電動車いすの操作の様子

車いすによる、これまで以上にのびのびと豊かな表現の実現も近いようです!

パフォーマンスで使用された車いすやロボットはいくつかタイプがあり、それぞれの特性によってちがった表現がみえるのも面白い点でした。立位型のロボットでは装着した人間の動作を検出するモーションキャプチャーが使われており、頭部の動きに応じてロボットを操作することができます。

介助の負担軽減などを目的に高齢者や障害のある方の自立支援のために開発された立体型介護ロボットを活用したパフォーマンスの様子

イベントの後半には観客の皆さんも一緒になってパフォーマンスを。

車いすやロボットを使用したパフォーマンスが障害のある人のみが使うだけでなく、障害のない人の表現の可能性を広げるアイテムとしても定着していけば、というお話から、誰でもが当たり前に、自由なダンスやパフォーマンスを一緒に楽しめる近い将来を想像し、終始わくわくした気持ちで鑑賞させてもらいました。

電動車いすや介護用のロボットが、「できないことをサポートする道具」から「楽しんで使える道具」になることを目指しているという言葉も印象的で、ポジティブな思考によるインクルーシブな取り組みを、芸術、工学、福祉といったさまざまな分野が一緒になって広げていく社会を体感できた素敵な機会となりました。

  

主催 JSTムーンショット型研究開発事業・目標3プロジェクト「活力ある社会を創る適応自在AIロボット群」

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