【レポート】日本初のユニバーサルシアター “CINEMA Chupki TABATA“

シネマ・チュプキ・タバタとは

アイヌ語で「自然の光」を意味する言葉、“チュプキ”という名のユニバーサルシアターが、東京都北区東田端の商店街の中にあります。それは、目の不自由な人も、耳の不自由な人も、車いすの人も、小さなお子様連れの人も、誰もがいつでも安心して、一緒に映画を楽しむことができる小さな映画館です。

上映される映画の全作に、目の不自由な方も楽しめるよう音声ガイドが、そして耳の不自由な方も楽しめるよう邦画を含めて日本語字幕が付いています。

劇場の後方には、スクリーンが見やすい位置に車いすスペースが設置。

人の大勢いる場所が苦手なお子様や、小さなお子様を連れた方も、安心して映画を楽しめる完全防音の小部屋も完備されています。

劇場(左)と親子鑑賞室(右)の様子

夢が現実になった映画館

このユニバーサルシアターは、バリアフリー映画鑑賞推進団体City Lights(シティ・ライツ)(2001年設立)が呼びかけた募金により実現したそうです。募金は、わずか3か月で531名から約1888万円も集まったとのことで、たくさんの方々がこのような映画館を待ちわびていたんだな、と想像しました。

シネマ・チュプキ・タバタは、ロビーに一歩入ったときから木や緑の温もりが感じられるデザインで、森をイメージして作られたそうです。

ロビーには大きな木が描かれ、シアターには緑や切り株が配置されていて、とてもリラックスして映画を楽しめる環境です。

ユニバーサルシアターのためには、バリアフリー映画が必要

「上映するすべての映画にバリアフリー字幕や音声ガイドが付いている」と聞いて、「日本にそんなにたくさんのバリアフリー映画があるの?」と思われるかもしれません。実は日本で配給される映画の中で、バリアフリー字幕や音声ガイドが付いている映画は全体の1割ほどとのことです。これらが付いていない作品については、シネマ・チュプキが自ら制作を行っている、と知ったときは驚きました。

障害のある方と繰り返し検討を重ね、たくさんの時間をかけて作り上げるそうです。

みんなが安心する場所

先日、私もシネマ・チュプキで映画を鑑賞しました。

新型コロナウイルスの感染防止対策のため間隔を空けて座る座席は、満席。お客様の中には視覚障害の方もおられ、慣れたように同伴の方と座席につかれていました。常連さんでしょうか。

商店街という身近な環境で、障害のある人もない人も安心して映画を楽しむことのできる場所、そして、全ての人と同じ映画を一緒に楽しみたい、という想いに溢れた場所だと実感しました。

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CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)

JR山手線「田端駅」北口から徒歩5分

水曜定休

https://chupki.jpn.org/

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※「活動したい 発表したい」のページでもご紹介しています。https://rights-tokyo.com/participate/

画像提供:シネマ・チュプキ・タバタ 

文:東京アール・ブリュットサポートセンターRights(ライツ)

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