◎レポート◎ オンライン企画 第2回座談会

障害のある方々の表現って?地域にひらいた芸術文化活動とは?地域とかかわるイベントからみえる未来って?など、障害のある方々の表現と地域をテーマに、Rights(ライツ)が開催しているオンライン座談会。

アドバイザーと、各テーマについての知識や経験が豊富なゲストスピーカーとの熱いトークは必見です!さらに、参加者はチャット機能からトークに参加したり、トーク終了後にオープンする掲示板で思いを発信したりすることも。

「障害者の表現の捉え方」をテーマに開催した第1回座談会に続き、2回目の開催となった今回は、地域がかかわる障害者の芸術活動の実践例をもとに、「地域と共に見つめる障害者の芸術活動」について考えました。

今回の配信でゲストにお招きしたのは、森新太郎さん(特定非営利活動法人ミュー副理事長兼統括施設長 / 武蔵野アール・ブリュット実行委員会委員長)。

森さん、そして本座談会のアドバイザーであるアサダさんに、地域に根差した活動事例としてご紹介いただいたのは、品川区立障害児者総合支援施設「ぐるっぽ」や、武蔵野市内で開催されているイベント「武蔵野アール・ブリュット」での取り組み。そして、「そもそも地域とは?地域とつながるとき、アートが介在する意義って?」など、障害のある方の表現と社会をつなげる過程に潜む、大きなテーマについてさまざまな意見交換も行われました。

リアルタイムで書き留めていただいた、グラフィックレコーディングによる記録はこちら。

(グラフィックレコーダー:本園大介さん)

第2回座談会の収録をご覧になりたい方、今後の座談会参加をご希望の方は、お気軽にお問合せください。ラストの開催となる第3回座談会でも、障害のある方の表現、さらに彼らと地域とのつながりを考えていきます。

【第2回座談会を終えて-アドバイザーからのコメント―】

障害のあるメンバーと日常的に行っている活動を地域にあふれださせるかのように、アートを社会化していくアサダさんの事例と、なぜかわからないけど、展覧会を通じて変化したメンバーの姿に可能性を感じ、多様性を大事にしながら実行委員長を務めている森さん。

あえて、お二人が普段現場で関わっているメンバーは、アサダさんは知的障害のある人たち、森さんは精神障害のある人たち・・・と比較しながら私も話していましたが、最後の方でこのカテゴリーを口にするのが嫌になってしまっていました。話がそのくらい本質に迫る内容になっていったからです。

アートって何か。この答えは福祉の現場に関わる人たちであれば、日常の活動の中にある見慣れた風景を、地域につなげるとしたら どんなことが起こるのか想像してみると、見えてくる言葉がその文脈の中にあるはずです。それを、常に更新しながら言葉にしていったら、地域のプレイヤーになれると私は思います。

その言葉をたくさん紡いでいく活動を、品川の愛成会のように単体の施設で、武蔵野アールブリュットのような共同体で実践する人たちが増えたら、社会は変わるのではないかとワクワクします。

次回の最終回は、さらに聞いている皆さんの次の行動につながるヒントが得られるような機会にします。またお会いしましょう。

座談会アドバイザー:加藤未礼

(コミュニケーションデザイナー / おおきな木 代表 / 一般社団法人TalkTree代表理事)


なぜ障害福祉という言われる現場にアートが必要なのか。すごくシンプルな問いに対して、外周を走りながら、徐々に中心に近づいていく、でも近づききれない、でも何か手応えはある。あるいは、障害者と言われる人たちの生きづらさと少しでも「通底」しているものが万人に内在しているのか。この問いに対しても、言葉を選びつつも大胆に切り込んでいくような、誤解があっても話さないといけないだろうというような空気を、画面上では姿が見えない参加者からも直感的にいただきながら進めた大切な会だったと思います。

「地域とつながる」とか言いますが、地域という言葉はやはり曖昧ですね。森さんがおっしゃる通り、異なる立場の人たちが対話をすることはとにかく必要。でも逆に言えばなぜそんなことが「必要性」として語られるくらいの状況に、現在がなってしまっているのでしょう。それほど同質性という引力に私たちは常に取り囲まれているのです。そう、冒頭書いたように、あらゆる「問い」の「外周」を走り続けることで発生しやすいのは、むしろ中心(本質)に向かうことよりもさらなる外へと放り出そうとする同質性という名の遠心力ではないか。福祉だって往往にして「みんな一緒」を押すことが多い現場ですしね。

いま一度考えたいです。このニューノーマル(一体どこが新しいんだよ!)な世界で、我々が失う可能性がある尊き個別性について。アートにこだわらなくてもいいけど、少なくともアートは同質性をほぐし、本来当たり前のように異質なもの同士がひしめき合うこの世界という存在に新たなまなざしを与え、個別性ととことん向き合うなかで、気が遠くなるほど「一粒の人」になったあとに、はっと目の前の人と出会いなおす。これは妄想ですかね?

「生きづらさ」は関係の中でしか変えてゆけないのならば、出会いなおすしかないのではないか。なんてことをグチャグチャ感じ、またさらなる外に連れ戻されそうになる自分に重石を置ける、そんな座談会だったと思います。関係各位にお礼を申し上げます。

座談会アドバイザー:アサダワタル

(文化活動家 / 社会福祉法人愛成会 品川区立障害児者総合支援施設ぐるっぽ

コミュニティ・アートディレクター)

第1回座談会のレポートを公開しています。併せてご覧ください。この他、ご希望の方に、これまでの座談会の収録の配信もご案内しております。▹▹ https://rights-tokyo.com/zadannkai01-report/

【申込・お問合せ先】

東京アール・ブリュットサポートセンターRights(ライツ)

(社会福祉法人愛成会 法人企画事業部内)担当:松山、玉村

Tel:03-5942-7251 / Fax:03-5942-7252 / Mail:kikaku@aisei.or.jp

◎ ご不明な点や参加に際してサポートが必要な場合は、お気軽にお問合せください。

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